経験を超えて、歴史から学ぶ

歴史に学ぶこと、負けて学ぶこと、———そしてその先に。

歴史の重み

恵那出身の儒学者に佐藤一斎がいます。「少にて学べば、則ち壮にして為すことあり。壮にして学べば、則ち老いて衰えず。老いて学べば、則ち死して朽ちず。」という名言があります。人間、子供から老人に至る中で、学びの大切さを説いています。またこんな言葉もあります。

「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」これはドイツの鉄血宰相と呼ばれたビスマルクの言葉です。私たちは年を重ねる中で多くの経験を積み、その中で自らの価値判断基準を形成していきます。しかしそれは長い人類の歴史の中でのほんのわずかな一瞬であり、私たちはかつての歴史の中の多くの出来事や思想に触れる事で自らの判断基準をアップグレードすることができます。経験だけでの判断だと独善や驕りに繋がりやすく、成長が止まる懸念すらあります。歴史から学ぶことの理由の一つには、「歴史は繰り返す」こともあります。

ITが進歩した時代においてさえ、先人の志や戦略などは、輝きて失っておらず指針になることは多くあります。

戦艦大和の図面、龍馬の志

かつて呉市の大和ミュージアムに行った時に大和の青焼きの図面が展示してあります。驚愕しました。CADもパソコンもない時代に人の手だけであれだけ詳細な図面を描くことができたとは。また、坂本龍馬の自筆の手紙を見たときにも同じような感覚を覚えました。当時学問の機会すら少ない時代に日本を何とかしたいという志の高さや、気持ちのこもった文章に圧倒的な熱量を感じました。

1923年。今から100年前に関東大震災が起こり、10万人以上が亡くなりました。しかし日本はその後の幾多の試練を乗り越え高度成長の波にも乗り大きく成長しました。しかし、1990年代のバブル崩壊を境に世界的な地位も大きく下げ続けています。現在、米国IT企業数社だけで、日本の上場企業の株価総額の数倍となっています。何が変わったのか?

我が社の前身は、1918年創業の山形屋材木店で昭和21年に鶴田町で製材工場を新設し、国産材を製材しておりました。時代背景は戦後直後の何もない大変な時期であったと思います。

昭和30年ごろの記憶はうっすら残っており恵まれない時代でしたが、みんな明るく強烈なエネルギーを感じていました。

それが今でいうアニマルスピリッツなのかもしれません。